コロナ禍におけるひきこもり 金田治(仮名)52歳 外車四輪ディーラー統括営業部長


【事例】


大学を卒業後に入社30年間ずっと営業畑でトップセールスマンでもある金田さん。

リーマンショックやメーカーのリコール問題など苦境を何度も乗り越えて販売に尽力を

注いできました。

しかし、今回のコロナ禍での経済問題で顧客の買い控えに直面してしまいました。

グループ会社で店舗は5店舗あり、その統括をする部長職を任されています。

メーカーと折衝しても打開策は見えず、営業スタッフもモチベーションが下がります。

コロナ禍で、売上は半減してしまっています。

幸いグループ会社の経営及び資金繰りはメインバンクが大型融資を実行してくれているので危機的な状況にはなっていません。


問題は、金田さんが想定以上に販売不振になり打開策が見えず、オーナーも見てみぬふりを

している状況です。

他の取締役もうわべだけは取り繕っていますがオーナーのイエスマンなので何もしません。

金田さんだけ本質を見抜き、目の前の危険度が高いことに気づいてもらえない経営陣にショックをいだき、会社に行けなくなり、ひきこもるようになってしまいました。

会社は事情をくんで、休職扱いで対応しています。ひきこもって2ヶ月経過しています。


金田さんは人望が強く、5店舗あるトップセールスマンはほとんど金田さんの教えで成長している人材です。

オーナーもそこは認めていて、将来は社長職に継がせる考えもあります。

現場では絶大な信頼があり、金田さんを思い、色紙によせ書きで早く復帰出来るように

エールを送り、それを見た金田さんは、余計にプレッシャーとなりひきこもってしまう状況

です。現場のモチベーションは金田さんが育てた優秀な部下なので高く、緊張感をもって

やっています。

金田さんは、少し人間嫌いになってしまい、会社の情報は一切いれないようにしています。

幸い、精神疾患など、うつ症状にはなっていません。


一日の過ごし方は、朝散歩して、庭の手入れをして、経済情報を新聞やインターネットで

確認しています。

この先のことは、あまり考えないようにしています。金田さんの状態が業界に広まり

ライバル会社から好条件でのオファーがありましたが、金田さんは愛社精神があり

もし、人間嫌いにおけるひきこもりがそのまま続き、解雇になってもかまわないと覚悟しています。家族も心配はしていますが、金田さんの決断に従う状況です。



【大河原康からの回答】


金田さんは、それこそ四輪車でいうとガソリンがカラカラの状態になってしまったのでしょうね。だからといって、ガソリンというか、それに見合う燃料を注いでも本人が受け入れなければ無理だと思います。

原因は明確です。販売における数字だと思います。

これが、見通せないから塞ぎ込んでしまったのだと思います。


しかし、打開策はあります。それは今まで販売したグループ会社の顧客や金田さんの担当顧客ではないでしょうか?

新規の顧客の開拓は、メーカー主導であらゆる方策を練るでしょう。

しかし、過剰な来店が予想させる企画はコロナ禍では、危険だと思います。

メーカー主導の販売・営業企画は同じ他のプレミアムメーカーのユーザーにアピールする

イメージ戦略もよいしょう。しかし、ユーザーは敏感だしこのコロナ禍では厳しいと思います。

メーカーの販売キャンペーンなどはディーラーの立場は受け入れるしかありません。

メーカーと折衝して「コロナ」の表現をモチーフに「567」に変えてクレジットキャンペーンを金利「0.567%」にしてまた、下取り車両含めキャッシュバックキャンペーンとして「¥56,700」をキャッシュバックするのはどうでしょうか?

新規であれ、保有顧客であれ、ブランドイメージを崩さずこの状況下での正当な理由付け

になる営業企画ではないでしょうか?


各店の店長レベルが金田さんに相談して、リスクと販売見込みの台数を試算してみて

どれだけ利益として見込めるか立案してみるべきです。

確率的にはそんなに高くないと思いますが、社内のモチベーションは上がります。


また、コーティングの営業も保有顧客にしていきます。

コーティングは外注に出すのが通例ですが、各店のサービス工場もコロナ禍で稼働が落ちています。

そこでサービスマン及び営業マンもコーティング作業や技術を習得して、他のコーティングより上質な素材を使いプレミアムブランドの四輪車を維持することへの満足感や幸福感をアピールするのです。

コストもコーティングの原液料と人件費、水道代です。

グループ会社の経営規模ならコーティングの入庫台数によっては、利益が計上できる要になるかもしれません。


また、動画でビフォーアフターをおこない、どれだけきれいになって、あえて泥水を被せてそのあとに、水洗いすれば綺麗になることを証明する動画はインパクトがあります。

金田さんも、自分が育てた店長たちと一緒に立案した企画が実行して結果がでれば、幸福感が増長され会社に行こうとなるのではないでしょうか?

また、グループ会社の経営者が金田さんに絶大な信頼をおいているのならば、実現する可能性は高いと思います。




この事例と回答シリーズは、あくまでもフィクションの想定であります。個人情報には該当しておりません。

大河原ライフプランニング

大河原 康

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