ホラ吹き職人「杉下さん」



ホント、今でも思い出すだけで、いい加減にしてほしいという人がいます。

私が19歳で父の家業(建設業)を手伝っていた時の社員で杉下さんという方がいました。

彼は世の中で言う「つっぱり=不良系」で、年齢は21歳くらいでした。

リーゼントパーマをかけて、クラウンのフルエアロの改造車に乗り、地元でも尊敬されて

いました。


私も高校卒業して受験に失敗してすぐに父親の家業(建設業)を手伝い、杉下さんと一緒に仕事をしました。いろいろとかわいがってもらい、いい人だなーと思いました。

若い頃は、どちらが力があるか競い合ったりして、お互いを切磋琢磨していました。


ある日、スコップを片手でスナップの力だけで持ち上げるという難しい力比べをして

私はなんなく、こなしたら、杉下さんはまったく出来ません。

私はきっと調子が悪いんだなと気を使いました。


しかし、一緒に仕事をしている内に、道具の運び方やブロックの運び方、材料の作り方など

がとてもいい加減な人だと気づきました。

ある現場で、水道水がなくてタンクに水を入れてくるように杉下さん言ったら、

すぐそばに、水道水があるにもかかわらず軽トラで行き、水道水をタンクにゆっくり入れてタバコを吸って待ってます。

私はこれを見て「この人使えねーなー」と思いました。


だけど、仕事が終わると地元の「つっぱり・不良」モードに戻ります。

後輩たちから、丁重な挨拶をされて、意気揚々です。

私も何度もドライブに連れて行ってもらいました。

私は日に日に筋骨隆々になり杉下さんにもビックリされました。

チカラは職人さんの中で一番あったんじゃないですかねー


そんな時、杉下さんは私に舐められたくないもんだから、私に「俺の身体は逆三角形で筋肉モリモリだよ」「ヤスのは、まだ線が細くたいしたことないねー」と言われました。

私は「がんばります!」と気合を入れていました。


そんなある日、杉下さんの家に泊まることになり、杉下さんの身体を見ました。

見たら、中年のおじさんの体型です。さらに以前は入れ墨をしていると言ってましたが、

見当たりません。私は嘘を見抜きましたがスルーしました。


杉下さんは人は悪くないので、よく一緒に遊びました。

何かの用で教習所に行くことになり、二人で教習所に行って書類をもらい帰ろうとしたら、

杉下さんは、同じような感じの不良に絡み始めます。しかし、お相手は身長190センチくらいある大きい方です。

私は、こりゃ無理でしょーと思いましたが、静観していました。

しかし、両方ともひきません。教習所内はヒッソリしています。

「表に出ろー!」となり、いざ勝負というところで、私が中に入って、同じ地元同士なんだから仲良くやりましょうよ。と言ったら、お相手はすぐに折れて仲直りしました。


その後、杉下さんは「あいつ目じゃねーよ、たいしたことねーな!」と言ってましたが

どう見ても、あのままやっていたら、ボディーアタックされてアウトだったと思います。


そんな、ある日、杉下さんは私とドライブするという口実で夜に遊んでいましたが、

最後に「1万円貸してくれ!」と言われて、私もドライブなんかのガソリン代はいつも出してもらっているので「いいですよ」と気軽に言って答えました。

その後、杉下さんは父の会社をやめてしまいました。

杉下さんと付き合いはありましたが「1万円」の催促をしたら「大丈夫だよ!返すよー」

と言ってます。


6ヶ月くらいしたら、杉下さんから電話があり「俺、今度結婚するんだ!」

「ヤス、俺のツレの女友達いっぱい呼んだから盛り上げに来てくれよー」と二次会の司会を

ボランティアでやらされました。さらにお祝いで「1万円」慎んでます。


あれから34年。。。

杉下さんから「1万円」返ってきていません。

二次会の司会の時に、いろいろとものまねをしたりして盛り上げて、親族側からプロの方ですか?と言われましたがギャラなんかありません。


別に地元の怖い先輩だから、回収できない訳ではありません。

その後の自分自身の成長が著しく、人間関係も広がり、学業も仕事も充実すると

なんかどうでもよくなっちゃう心境なんですね(笑)

9回の閲覧0件のコメント