私の三千円、返して下さい!


私の父親は建築業を経営していました。

父の会社には、いろいろな職人さんが働きにきていました。

私は子供心にそんな職人さんの方々と触れ合い、可愛がられてきました。


しかし、中にはとんでもない人達もいました。

そんな職人さんの中で「ブイさん」という人がいました。

当時、30歳くらいの人だと思います。

私が小学6年生の頃です。


ブイさんは社長である父によく、お金を借りていました。

普通なら生活が苦しいとかの理由なんですが、ブイさんは「シンナー中毒」でシンナーを

買うお金が欲しくてお金を借りていました。

ある日、父はさすがに堪忍袋の緒が切れてお金を貸しませんでしたた。


そしたら、ブイさんは、こっそり私に近づき

「三千円貸してくれよー」

と甘えるように言いました。


なぜか、私はブイさんが気の毒になって貸しました。

小学校6年生の子供が30歳のおじさんにお金を貸したんですよー

その後、私は「返してくれ」とは、あまり言いませんでした。

なぜかは、よくわかりません。。。


私が中学1年生になり、その貸したお金を思い出し、ブイさんに言い寄りました。

そしたら、返すとは言わず

「今度一緒にいいところ連れて行ってあげるよー」

と言うのです。


そして、約束をして

小さい公園に連れて行かれました。

そしたら、ブイさんの仲間が10人位いました。


みんなシンナーを吸って、ラリってます。。。

阿波おどりをしている人がいたり、原付きに3人乗りをして雄叫びを上げたり

500円で胸を揉ませている女性の人達もいました。


ブイさんは私に

「これは純トロで極上のシンナーなんだ、やってみろ!」

と言うのです。

私はニオイを嗅いだら、当時ガンダムのプラモデルが好きで塗料を使っていたので

それと同じニオイだったので、

「いつも嗅いでいるから大丈夫です」

と言って断りました。


というか、まわりが公園で通常ではありえないパフォーマンスだったので

これは普通じゃない、私もあーなっちゃう。。。

と思って逃げるようにして帰りました。


その後、ブイさんはシンナー中毒がたたり廃人のごとく入院して

父の会社を去りました。


そして、私が20歳くらいの時に、ブイさんと偶然、再会しました。

私はすぐさま「三千円返して下さい!」と言ったら

「笑ってごまかして、お前も変わったなー」

とわけのわからない事を言ってます。


もう、あれから40年以上経ちますが、

「三千円は返してもらってません」

誰かブイさんの居場所を知っている人がいたら教えて下さい(笑)

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