統合失調症 山下和夫(仮名)26歳 無職 両親・妹と4人暮らし


【事例】


山下さんは統合失調症になり12年です。

両親とは意見が合わず、自立支援施設に入所したが、人間関係のトラブルが原因で半年経たずに強制退所させられる。

両親のいる実家に戻り、障害者雇用で働くが、ここでも人間関係のトラブルを起こして

幻聴妄想に悩まされている現状である。


実家にひきこもり、6年が経過する。

日常的に妄想・幻聴に悩まされる。

両親に暴言を吐き、部屋をメチャメチャに荒らしてしまう。

また、母親が作る料理が気に入らないと、お皿や箸、コップを投げ出してしまう。

今の所、家族は当事者の行動や言動は病気だからということで、何とか受け入れている。

山下さんの一日の過ごし方は、将棋が大好きでオンラインゲームでの将棋を毎日楽しむことができている。


将棋に関しては冷静になり、自分が思う通りにいかなくても感情的にならず現実を受け止めることができる。

また、将棋で勝った相手には、リスペクトして状況によっては謙虚に教えを受けている。

しかし、ほとんどがオンラインゲームでの対戦なので、実践での対面対決はほとんど経験が

ないので、人間関係にトラブルを起こしてしまうことから、本人も対面対決には、

行動をおこさない。

オンラインゲームでのルール上ではあるが、3段の技量と評価されている。


山下さんは、働くことにはまったく興味がなく、また他者への感謝の念もなく、

客観的にみれば、わがまま放題で生きているようにみえる。

幻聴、幻覚がひどい場合は、近所にも害を及ぼしている。

また、警察に通報され、行政の民生委員にも注意されているが、暴言を吐き

敵視している。


精神科の主治医も、なかば諦めており、怠慢な対応になってしまっている。

残念なことに本人は病気を向き合わず、薬も服用することを拒否している。

さらに追い打ちをかけるのが、ネット上での2チャンネルを見て興奮して、理性を失い

他者に暴言や物にあたってしまっている。



【大河原康からの回答】


まず、一番優先するのは、和夫さんのことより、両親と妹さんの安全と幸せですね。

家族3人が限界を感じたら、和夫さんを拒否して別居することをおすすめします。

拒否ということは、縁を切るということです。連絡先もNGです。

一番は暴力をふるった時です。たとえ家族が警察に通報したからといっても、この相談内容

では、とうてい和夫さんが反省して、自分を取り戻して病気と向き合うように感じません。

しかも暴力を受けた側は、身体的な痛さはもちろん、精神的なダメージの方が大きいです。


もしそうなっても、今の統治国家である日本の行政は和夫さんの生活を守る義務があります。和夫さんの状況に合わせて、訪問介護や民生委員のフォロー、行政の障害福祉関連の方々が動くと思います。なぜなら、これ以上の民事・刑事事件にしたくはないからです。


まだ、家族側が受け入れるキャパシティーがあるのならば、

優先順位としては、病院を変えて、和夫さんと向き合ってくれる精神科医を探すことです。

そして、処方された薬を飲む約束をすることです。

統合失調症の方々は、私は何人も見てきています。いろいろと対話してきた経験があります。

基本的に完治するという概念は難しいと感じます。

精神薬で自覚症状を抑えるか、幻聴幻覚の苦しみに耐えるしかありません。

陰性、陽性とありますが、他者への攻撃が一番のリスクです。


家族が受け入れて、本人も病気と向き合えるのならば

完璧な解決策はありませんが、家族が幸せに暮す可能性は十分にあります。


まずは、和夫さんが他者への攻撃をやめることです。

そして、その攻撃を行動したら、家族は拒否するということを念頭においてもらうのです。

ここを素直に従ってくれれば、両親、妹さんは少し安心して生活を送れると思います。


将棋が好きで、冷静になれる自分がいるのならば、対面の将棋をやってみてはどうでしょうか?無理には申し上げませんが、なんらかの可能性はあると思います。

根拠は大好きな将棋だと攻撃的にならず、冷静に判断できるからです。

そして、少しずつ将棋を学び、人間的に成長できたら、自分より技量が劣る相手に

将棋を教えたり、青少年にも将棋の基本を学ばせたりするのは良いと思います。

もちろん、和夫さん本人だけでは難しいので、お父さんもフォローしなければうまくいかないと思います。しかし、将棋で唯一、人間らしさを発揮できるのであれば、持病と共存しながらでも自分を見守る方々への感謝をする気持ちになると感じます。





この事例と回答シリーズは、あくまでもフィクションの想定であります。個人情報には該当しておりません。

大河原ライフプランニング

大河原 康

8回の閲覧0件のコメント